Uber運転手の副業

乗客用にスナックやドリンクなどを車内販売 (http://drivecargo.com)

ウーバーの運転手は実は運転以外でも収益を得ることができる。その代表的なものは紹介料で、例えば知り合いを運転手として誘って、その人物が所定回数(50〜75回など)のライドをこなしたら、500〜900ドルといった金額を受け取ることができる。実はこれが運転するより一番効率がよい。(MLMではなくて、多重層にはなっていない。あくまでも直接の紹介のみ)

それ以外で初期に話題になったのが、車内に自分が運営するオンラインショップのジュエリーを飾り、気に入った人にチラシを配っていた事例で、それだけで年商10万ドルがあったとかで話題になった。

今回紹介する Cargo for Drivers は 車内でスナックやらドリンクやらを販売するための「箱」を設置するサービス。母方の祖母が富山出身で、昔よく実家に富山の薬売りが来ていたのを思い出した。今でも「布亀」はあると思うが、コンセプトはあの配置薬と同じである。

このサービスでは在庫は仕入れる必要がなく委託販売である。完全にキャッシュレスで煩わしさもないし、チップももらえるようになっていて紹介ボーナスまである。

製品は豊富

購入するためには、乗客(Rider)はただウェブサイトに行けばいい。アプリをダウンロードする必要すらない。そこで箱ごとに設定されているCargo Store IDを入力して支払うだけ。後は運転手が箱を開けて商品を手渡しするようになっている。箱の中には無料サンプルなども入っているらしい。売上に応じたコミッションがもらえるので、運転する側にとってはお客さんへのホスピタリティに繋がり、レーティングもよくなるかも知れないというメリットもある。

個人的にはライドシェアリング運転手用のオンラインショップをやったりするのも面白いかと思ったりするわけだが、なかなかそこまで手間が取れないのが悲しい現実である。ゴールドラッシュ時代に一番儲けたのは鉱夫ではなくて、鉱夫に必需品を販売した人たちだ、という逸話がある。リーバイスもその一例。株式投資の格言「人の裏に道あり花の山」はここでも通用するのかも知れない。


立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。