NSA PRISM 密告者の嘆き

ワシントンポストの報道に端を発した一連のPRISMスキャンダルの勢いはまだ衰えない。
テンションは、過日のウィキリークスの報道を想起させる。

GIZMODOは内部通報者(Whistleblower)へのインタビューを掲載した。報道によると、彼の名はEdward Snoden。以前NSAにコントラクターとして勤めたことがあり、現在は大手戦略コンサルファームのBooz Allen Hamiltonの香港オフィスに勤めているそうだ。

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「もう祖国の地を踏むことは無いだろう」と題されたインタビューで、彼は自身がやったことの正当性を主張しつつも、アメリカに残した家族の安否を気遣うコメントをしている。

I understand that I will be made to suffer for my actions . . . [but] I will be satisfied if the federation of secret law, unequal pardon and irresistible executive powers that rule the world that I love are revealed even for an instant.

(自分がやったことで苦労するのは分かっている。だけど、自分が大好きなこの世界が連邦の秘密の法律や、不公平な待遇、誰にも抗えない権力などによって支配されることから一瞬間でも解放されればそれで満足だ)

It has given me hope that, no matter what happens to me, the outcome will be positive for America. I do not expect to see home again, though that is what I want . . . The only thing I fear is the harmful effects on my family, who I won’t be able to help any more. That’s what keeps me up at night…

((一連の報道は)結果的にはアメリカには良い方向に影響すると信じている。だけど、自分がいくら望んでも母国の地をまた踏めるとは思っていない。唯一気がかりなのはそこに残してきた家族のことだ。何があっても助けてあげることはできないから。それを考えると夜も眠れないんだ。。。)

セキュリティとプライバシー、この表裏一体の問題を巡るトラブルはまだまだ尽きることがなさそうだ。テロリストにより深刻なダメージを受けたアメリカ、グーグルやフェイスブック、アマゾンにアップルという世界のITプラットフォームを牛耳る大企業を有している情報大国の今後は世界的な関心を集めている。

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。

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