ある一組のカップルの路上キスの画像が、ネット上を駆け巡っている。といっても、これはいわゆるセレブリティがパパラッチされたという類のものではない。
これを教えてくれたのは、とあるホテルの従業員。家の近所にあるので、オフィスまで行くのが面倒な時によく利用する。(「ウィキペディアンの憂鬱」の舞台としても登場する)
グーグルで Vancouver riot kiss と検索すれば大量にでてくるこの画像、実はカナダのバンクーバーで暴動の最中に撮影されたもの。
The real story behind the Vancouver kiss (ZEENEWS) によると、当初は「暴動なんてそっちのけ」で盛り上がっているという写真だと理解されていたようだが、現実はもっと深刻なものだったということが発覚し、また話題になった。
この写真を撮影したのはリチャード・ラム(Richard Lam)、カナダ人の写真家である。キスしている男性はスコット・ジョーンズ (Scott Jones) で女性は彼のガールフレンドのアレックス・トーマス (Alex Thomas)であるとされている。
However, as per a UK newspaper, it now appears that the couple had been knocked down by the riot police. The couple, who have been identified as Scott Jones and his girlfriend, Alex Thomas, were themselves shocked to find their pictures splashed across various social networking sites and news sites.
(抄訳)
ところが、英紙によると実はこのカップルは暴動を鎮圧していた警察によって、路上に打ち倒されたのだという。このカップルは彼らの写真がSNSやニュースサイトのあちこちで話題になっていることを知りショックを受けているという。
どうやら、男性は倒されてアスファルトで頭を打った女性の上に倒れたようで、女性の無事を確認して落ち着かせるためにキスしたのではないかとのこと。
なんともほほえましい話なのだが、ソーシャルメディアで一気に広がってしまう世の中というのはやはりすさまじい。早くもネットでは一気に彼らの画像をもじったパロディがいろいろ出回っているようだ。(いずれポスターになったりして)
ところで、肝心の暴動の理由だが、どうやらバンクーバーの地元チームがNHKの決勝戦であるスタンリーカップに負けたことに端を発しているらしい。
(NHLファン暴走、カナダ・バンクーバー炎上)
(余談:実は私自身大地震やテロの被災経験はないものの、戦後の日本で唯一起こったとされる大阪市西成区の暴動だけは高校生の時に体験している。そちらの方面からきた学生が路面電車の窓が投石によって割られたことを話してくれた時は「これが日本か!?」と思ったものである)
カナダ人はどちらかというと温和なイメージがあるが、ストライキはしょっちゅうやっているということ。そういえば出版社からYukari Peerlessさんに送る献本がストライキでダメだとか言ってたな。もしかすると原因はこれ!? だとしたら何ともすさまじいアイスホッケー熱である。