NingがUstreamと提携しユーザのSNSからライブビデオのストリーミング(+ビデオチャット)が可能に

テッククランチが6月8日付で掲載したニュース
NingがUstreamと提携しユーザのSNSからライブビデオのストリーミング(+ビデオチャット)が可能に
(*Ningの公式アナウンスメント

誰でも気軽にSNSを作成できるNingだが、先日無料プランを全廃する動きを見せたことで、ネット上からは結構な総スカンを喰らっており、なかなか取り上げられることもない。筆者はNingのコンセプトをサポートしているが、日本語版ではまだ中国語の漢字が表示されるなどしていることから、日本語でのサービスには限界があるのも事実。先日は唯一のニュース共有アプリだったNewsshareがサービスを停止するなどして、私が運営するいくつかのNingサイトもダメージを被った。(代替が無いのが困る) Ningが苦戦しているのは事実だろう、しかしビジネスとして考えた時にまだまだ収益性があがるモデルができにくいソーシャル系サービスを代表して、有料化の壁に立ち向かっている姿勢は評価できる。

今回のUstとの提携はどういうものなのだろうか。

Ningと、ライブストリームビデオのUstreamが、本日(米国時間6/7)発表した提携により、Ningの上で自分のSNSを作るユーザは、自分のサイトからいつでも、ライブのビデオとオーディオをブロードキャストできる。しかも、ライブのチャット機能なども利用できる。

Ustは北米での認知という点では日本ほどではないだろう。
類似サービス(ライブストリーミング、インターネット放送局)にStickam や Justin.TVがあるが、どこも苦戦している様子だ。アドビに対するフラッシュサーバーへのライセンスフィーやホスティングなどバックエンドに莫大なコストがかかる割には回収が難しいからだ。
つまり、依然動画に関してはYouTube独り勝ちで、ライブストリーミングに関しては(以前チャットルーレットが話題になったが)市場全体がまだまだ乗り気ではないということ。これには放送事故やクオリティ、そして子供たちへの配慮が伺える。一方動画のアーカイブはYouTubeやVimeoを中心にほぼ熟成されてきた感があるし、HULUもCMをバンバンいれながら頑張っている。ライブチャットに関してはどうしても後ろめたいイメージが強いのか、パーソナルでやるという傾向があるのだろう。それにはSkypeがあれば十分ということになる。

つまりNingがUstreamを組み込んだことによって、Ningがホストするネットワークにライブビデオのコンテンツを容易に埋め込めるようになり、ユーザはそれをUstreamからブロードキャストできる。ユーザはUstreamのチャネルをNingのWebサイトに埋め込めるだけでなく、ライブのブロードキャストがあるよというサインをサイトに加えられる。また同時に、ストリーミング中のチャットもできるようになる。

個人サイトのプロモーションにはいいのかも知れない。これまでNingにはYouTubeやHULUのアプリはあり、予め設定したチャンネルをそこで表示することができた。それのUst版ということか。

Ustreamは、Ning PlusとProのユーザが利用でき、前にアップロードした Ustreamのファイルにも、サイトの管理画面からアクセスできる。なお、Ustreamの作者たちは以前、UstreamのライブビデオストリームをOpenSocialのプラグインから加えることができたが、今回のはより深い統合化であり、ライブチャットのようなネイティブな機能性も提供することができたのだ。
今日からいきなりビデオのライブストリーミングを使い始めたNingのクリエーターたちも、いくつかある。たとえばバンドのWeezerは、テキサス州オースチンのコンサート会場から、Q&Aと練習風景をストリーミングする。

利用出来るのは最廉価版のNing Mini以外の二つのプラン。(Miniは小学校や中学校などの教育団体向けでドメイン転送などもできない)

ちなみに、これはNingのAppのほうではなく、Ning Extentionというセクションからアクティベートすることになる。管理画面のダッシュボードで左側に縦に表示されている項目の中からNing Extentionを選ぶと下記のような画面が表示される。

Activateをクリックして、自身のチャンネルを設定すれば完了。あいにく筆者はUstのアカウントをもっていないので、今度作ったら設定してみたいと思う。

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。在米歴20年以上。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(ともにDiscover21)など計六冊を上梓。