日本に出張していて、つくづくモバゲーの普及の凄さを実感していたのだが、9月8日終値時点での株価ベース、いわゆる時価総額(売上ではまだDeNAのほうがだいぶ大きい)でグリーがDeNAを抜いた、とテッククランチジャパンが伝えた。
グリーの時価総額が本日のマーケットの終値ベースで5,986億2900万円に対して、同じくDeNAは5,904億600万円だった。ほんの1カ月ほど前までは両社は2,000億円ほど近くの市場の開きがあったが、ここ直近のグリーの株価上昇で逆転となった。
ヤフーのチャートを見ると、確かに二社が肩を並べており、グリーが上位に立っている。
で、一般的に日本を代表するSNSであるとされるミクシィ(2121)はというと、時価総額は521億円と前述二社の十分の一にも満たない。
創業時期には散々ミクシィと比較されて、「終わり」とまで言われた(グリー社長談)グリーだが、蓋を開ければ何のことはない急成長の一歩である。(この違いを見て、後付で理由を単にゲーム云々、とだけ考えているようなアナリストからは株の指図を受けないほうがいいのではないだろうか、というのが個人的な意見 笑)
もちろん、今回の話は時価総額であって売上や利益が並んだというわけではない。ましてや株価の変動は必ずしも企業の実態を表しているわけではないし、同じビジネスをしながら両社の株価収益率は異なっている。この直近の四半期ベースでは、2011年の4月から6月ではグリーは売上210億9,300万円で営業利益は97億8,900万円。一方のDeNAは売上346億4,900万円、営業利益は158億900万円で、利益ベースでみてもまだ1.5倍以上の差はある。もちろん、DeNAにはいわゆるソーシャル事業以外の収益も含まれているので、同じビジネスでの比較ではないが、企業としてみればこれぐらいの差はまだある。
ただ、直近の値上がりなども含めて、国内のインターネット市場で最も注目されているのはこの2社であることは間違いない。よく知られているようにこの会社はライバル関係にあり、いや、そうだからこそ同じ土俵で競争しながら、成長し続けているのだと思う。
(ちなみに、一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いだったインターネット広告代理店系の時価総額はそれに対してあまり冴えない。
トップのサイバーエージェントは1500億円超と、それなりの規模になっているが、オプト(139億円)やセプテーニ(57億円)はあの頃の勢いがどこにいったのかというくらい地味な存在になりつつある)
両者、ミクシィ、三社は三様のパターンで海外展開を睨んでいるようだし、今後の活躍に期待したい、というかエールを送りたい。
海外進出の壁はまったく甘くはないのだから、確実なプランを模索するよりは、市場が求めているビジョンを見極めて、それに同調していけるビジネス展開を構築していくのが正解ではなかろうか。今や日本を代表するIT企業として、体力があるうちにこそ、リスクを取っていって欲しいと願う今日この頃である。
ちなみに、筆者も昨日から「カイブツクロニクル」を始めてみた(笑)
2011 年 9 月 25 日
[…] 先日も書いたように、ソーシャルゲーム会社は日本で隆盛を誇っている。DeNAやGREE、そしてMixiもこぞって北米に進出しており、それぞれの思惑で展開を進めているようだ。 […]