ソーシャルメディアとビジネスプラン 意力のカタチ

とあるビジネスプランの検討会ではボロボロに酷評されたビジネスプランが、何故かMITエンタープライズフォーラムのビジネスコンテストではファイナリストにまでなってしまったというのは何とも皮肉なことだが、ビジネスプランは見せる相手によって評価が異なるのは当然の話だ。投資家向けのプランを投資をするつもりのない人に見せて意見を聞いても実質意味がない。投資というのは奇妙なもので、結局プランどうのこうのも大事だが相手は人を見ている。よく「ドライバー」という言葉が当てられるが、ベンチャービジネスを牽引していくにはとんでもない労力が必要なわけで、とどのつまりは「諦めない」人間であることが最低限の資質である。そして、あとは「必要なモノ(物質以外も含む)を何とかして手に入れる」力、つまりこのブログのタイトルでもある意力が必要なわけだ。逆にビジネスプランの数字については、見た目をきれいにまとめあげるのは簡単な話で、どれだけ実際に近いものを予測できるかが重要である。しかし、実際に近い数字を予測するのが大事なのか、目標として立てた数値に近づける努力をすることが大事なのかと聞かれれば、どちらも重要だが、後者がなければ前者の数字に何の意味もなく、最初は「最低限」と思ってたてた予測の数値をはるかに下回ることだってある。自身のビジネスを含めて、こんな例は枚挙にいとまがない。

というわけでこのビジネスコンテストは願ってもないチャンスであるから、しっかりとプランを煮詰めているところだ。

その過程で、現在意力メディア(おそらくこの名前が新しい会社の名前になりそうだ)が行っている事業を簡単な図にまとめてみた。(図をクリックで拡大)

意力メディア概観
意力メディア概観

ブロガーと一口にいっても、これからはただ書くだけのブロガー(アマチュア)と職業ブロガー(プロ)にもっときれいに別れていくだろう。後者はブログを書くことに決まった目的をもっているが、前者は書くことが第一義なので特別そこから先の目的をもたない。ソーシャルメディアというからには、継続した情報発信が必要なわけでこれを何の見返りも求めずに行うことは難しく、趣味の領域で続けることができる人間は限られている。アメリカでは職業ブロガーが数多く存在しているというニュースもあるが、日本ではまだまだ数が限られている。大手のメディア企業で働くものとは異なりそこには制約条件も多いので、(ただの自己擁護に取られるかも知れないが)市場やブロガーが成熟するまでの間は温かく見守る視線が必要とされていると感じる。

(参考リンク:プロのブロガーになりたいなら月にエントリー300本書け!

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。