アマゾンDTPが多言語化、世界中から自費出版が可能に!

昨日2泊の東京出張から戻った。2泊の間にソウルに日帰り出張をして、翌日LAに戻るという強行軍だった。前回もLAからソウル日帰りでそのままNYに飛ぶ、というのがあったがそれにも増して今回はきつい日程だった。東京も結構寒かったが、ソウルでは雪が積もっていたのでびっくりした。(ソウルと北京はどうやら同じくらい寒いらしいから、北京の同僚の身が思いやられる) しかし大きな成果を上げることができたので満足だ。中国、香港、韓国、日本、アメリカと他拠点で同時進行しているプロジェクトがようやく大きな山場を迎えたというところ。リーダーのODM開発の件ではプロトタイプが上がってきたので、やはり実機を目の前にするとモチベーションが上がる。

さて、表題の件だが先日のCESで電子リーダーが多く出展されていたことを受けてか、アマゾンはいよいよ電子出版プラットフォームであるアマゾンDTPのルールを変更し、より多くの作家や出版社の参画を求めるようになったようだ。DTPに登録されているアカウントに来たアマゾンからの告知メールによるとDTPの変更点は下記のようなものである。(Digital Publication Distribution Agreement全文についてはこちらを参照)

Recent Changes

We updated the terms of the Agreement on January 15, 2009. Below is a summary of the principal changes contained in the revised Agreement. You should carefully review the revised Agreement in its entirety to ensure you understand fully all terms of the revised Agreement.

• Section 2: We modified the procedures for amending the terms of the Agreement.
• Section 3: We modified the termination provision, including by providing that you or we may terminate the Agreement at any time.
• Section 4: We added provisions relating to eligibility to participate in the Program, account information, and account security, including that you may only maintain 1 account at a time, and that if you have multiple accounts, you will have 30 days to consolidate your accounts.
• Section 5.1: We added provisions relating to delivery, content requirements, rejection, withdrawal, and reformatting of Digital Books.
• Section 5.3.1: We modified the provision regarding list prices for Digital Books.
• Section 5.4.2: We removed the obligation to have a U.S. bank account to participate in the Program, to allow international publishers to participate in the Program. We also added a provision for circumstances under which we are entitled to withhold payments for a period of time.
• Section 5.6: We added a provision regarding our use of geofiltering technology.
• Section 5.7: We added a rights dispute resolution provision relating to claims of copyright infringement.
• Section 7: We added a provision covering confidential information.

変更は1月15日の30日後から有効とあるので、バレンタインデーには自費出版で独自のプレゼントをすることも可能になるかも?

これを紹介しているキンドル関連サイトもあるが、そちらにもあるように主要な変更点はやはり下記2点であろう。

1. Authors and Publishers outside the US can now publish their books for the Kindle. Before this only US based authors could use the DTP platform.
2. English, German, and French language books can be published.

1.米国外の著作者と出版社もキンドルに向けて出版することができるようになった。以前はDTPプラットフォームの利用は米国在住の著作者に限定されていた。
2.英語、ドイツ語、フランス語での出版も可能になった。

また併せてDRMの付与選択や下限価格の変更(!)も行われるらしい。価格についてはこれまで一律99セントの最下限だったものが、ファイルサイズに応じて$1.99(3MB-10MB) と$2.99(10MBを越えるもの)。となったらしい。いわゆるマルチアカウントも禁止になったようで、複数口座をもっている場合は30日以内に一つにまとめるようにという指示がでている。

当社のような出版社に対してこれは大きな変更である、が、いよいよ世界中のクリエーターがアマゾンDTP市場に参入できることになったという点では大変有難いことである。アマゾン以外の電子ブックはここまでサードパーティによる出版に注意を払っておらず、アマゾンは今の間に自社のサービスの隠れた強みを前面に打ち出すつもりなのであろう。また、これには近々その全貌が明らかになるアップルのタブレットに対する競争意識があるのも明白だ。アップルのタブレットはハード自体も興味深いが、我々のような専門家が注目しているのはやはりApp Storeで見られたようなサードパーティの参画モデルである。アップルはタブレットの機能を最大限に活かしたクリエーターやアーティストの参画可能型出版モデルを打ち出すべきであるし、それができなければタブレットの魅力は半減し、アマゾンが一歩先に出るということになるだろう。

いよいよ熱くなってきた、世界の電子出版市場。狭い日本を抜け出して世界に進出するチャンスです。我こそはと考えるクリエーターのみなさんはぜひ当社に出版の相談に関するご連絡ください!

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。

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  1. […] 「アマゾンDTPが多言語化、世界中から自費出版が可能に!」 by 立入勝義、意力ブログ、1/18/2010 […]

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