アマゾンがキンドルストアに新たに3つの言語を追加!次は日本語か!?

しばらく沈黙を守ってきたアマゾンのプレスリリースだが、ここにきて2つの新しいニュースが追加された。

アマゾンは2月19日に新たにキンドルストアのコンテンツに3つの言語を追加することを発表した。

今回追加されたのは下記の3言語。いずれもラテン系の言語である。
スペイン語
イタリア語
ポルトガル語
これまで英語・ドイツ語・フランス語が対応言語とされてきたので、上記を入れて計6つの言語が対応となった。
アマゾンはこれですでに北米と主要なEU諸国、そして南米をカバーしたことになる。

具体的な話し手人口がどれくらいになるかと思い少しネットで調べてみたが、話し手人口に関するセンサスは意外に更新されていないのか、最近のものがみつからなかった。

WIP Japanの「世界の主要20言語使用人口」表の公用語区別によると
英語 (1,400) 1位
スペイン語 (280) 4位
フランス語 (220) 6位
ポルトガル語 (160) 8位
ドイツ語 (100) 12位
イタリア語 (60) 14位
*( )は100万人

となり、計22億2000万人がカバーされたことになる。これはかなり大きな数である。勿論各言語を公用語としない国にもこれらの言語の書物を購入する人々はいるだろうから、実質的な潜在読者層はすでに地球の人口の半分を超えていると思われる。

アマゾンはオンライン販売のデータを地理情報などで緻密に解析したマーケティングデータを、ビジネスにつなげる専門家であり、その手法が彼らを世界一のEコマースサイトの基盤になったことはよく知られた事実であるが、上記の言語戦略は非常に効率のいいものだと言える。筆者はこれまで度々アマゾンがアメリカから東回りに言語を拡大するであろうという予測を述べてきているが、まさにこの通りの展開になっている。南北アメリカとEU主要諸国、そして植民地としての歴史が長かったアフリカもカバーしてしまった。

さて、では注目のこの次の動きはどうなるのだろうか?

これを解くカギはアマゾンキンドルが通信インフラを介しているものの、基本的にはインターネットをベースにしたビジネスであることをもう一度思い出す必要がある。そこで世界のインターネットユーザーの人口はどうなっているか下記の表をご覧頂きたい。
(引用元:Internet World Stats データは2009年 )

Top10Language in the Internet
Top10Language in the Internet
Chart 2 <datasheet>
Chart 2

この表ではキンドルはすでに上位7国の言語をカバーしていることになる。残るは2位の中国語、4位の日本語である。

またG8(最近はGの後につけるのがどの数字が正しいのかよく分からないが)といえばご存知の通り
米・英・日・独・仏・伊・加・露
であり、この時点でカバーされていないのはロシアと日本だけである。

キンドルは安価であると言っても、やはり市場としてはそれなりのビジネス規模を有するところにフォーカスするのが当然であるから、単純な話し手人口のみならず、経済規模圏やインターネット人口を加味されるのも当然だと考える。

ということで、次なる言語の候補としては 中国語、ロシア語、日本語となるのだが、キンドルは台湾には出荷されているものの中国には出荷されておらず、台湾で使われている繁体字は大陸で主に使用されている簡体字よりはかなり人口が少ないので、後回しになる可能性がある。(またそこには政治的な配慮も含まれるかも知れない)。キンドルはすでにロシア(を含む周辺諸国)と日本には出荷されているので、いよいよ待ちに待った日本語フォントの追加か?と期待が高まるところである。(ちなみに現時点でキンドルは南北朝鮮には出荷されていないので韓国語、というのはまだ先になりそうだ)

日本を市場とする際には現在ある出版社の抵抗にどう対応するのか、であるがこれについては筆者には秘策がある。すでにプロジェクトは日本と海外で動き出しているのだが、その内出版社も対応せざるを得なくなるであろう。電子化の波はもうそこまで来ているのだから、目をつぶっていたら溺れるだけだ。そういう時は目をしっかり見開いて相手を凝視することだ。そうすれば道は開けるかもしれない。

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。

2件のコメント

  1. kuni shimizu
    2010 年 2 月 21 日

    ご存知かと思いますが、Camaleoというウェブサイトでpdfなどをフラッシュデータにし、本のような感じで読めるようにしてくれます。拙作もいくつか試してみました。
    Amazonはkindleの次の候補としてSlashGearのデバイスを検討中と聞きます。このデバイスのデモで、フラッシュで本のように見せるものがありました。
    電子書籍は、最終的にどんなフォーマットにすればいいのか、悩むところですが、とりあえずコンテンツをpdfにしておこうと思っています。

  2. will
    2010 年 2 月 23 日

    Kuni Shimizuさま
    いつもご訪問ありがとうございます。
    サイトを拝見しました。国際的に通じるすばらしい作品だと思います。私も俳句や短歌はファンなので、ぜひともお手伝いさせて頂ければと思います。現状のキンドルストアでの販売にも適格すると思います。その場合はPDFよりもJPGのほうが処理しやすいようです。
    お気軽にご連絡ください。

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