好きなことをやれ! – 縞馬たちへの伝言9

(この連載はティーンエージャーを対象に書かれているため、文章が平易になっていたり会話文が使われていたりするなど他のエントリーとは表現が異なります)

「少年よ、大志を抱け」という言葉があるね。これから大きくなって、どういう仕事をしようか、どう生きようかと考えることはどんどん増えてくると思う。
これについて、僕も他のみんなと同じように自分なりに悩み、考え、努力してきた。だから、今日はその体験(たいけん)からちょっとしたヒントを教えたいと思う。これは僕が35年間という長いような短い年月を生きてきた結果の感想だからよく聞いて欲しい。

それは、「自分の好きなことをやれ」ということだ。そう言うと、周りの大人や友達は決まって違うことを言うかもしれない。例えば「そんなのは成功してから言う事だ」とか「世の中そんなにうまくいったら苦労しない」とかだ。でも僕はもう一度繰り返して言おう、「好きなことをやれ」と。実はポイントは「好きなことをやるかどうか」じゃなくて、「自分が本当に好きなことは何か」を見極めることだ。そして、そのための一番の近道は自分が「好き」だと思っていることをやることだ。そしたらその次が見えてくる。

昔の人が残していった格言や名言っていうのは、僕たちに本当にいろんなことを教えてくれる。ことわざだってそうだ。例えば「隣の芝生は青い」っていう言葉があるよね。これは本当に的を射た(得たじゃないから気を付けるように)コトバだと思う。だって隣の人に聞いたらどうせ違うこと言うんだから、たとえばそれは「いや、君の家のバラがきれいなことのほうがうらやましい」っていうことかもしれない。だから、自分で何でも体験してみることが大事だ。芸能人や有名人はカッコいいと思うかも知れないけども、彼らには彼らの事情(じじょう)があり、いざ体験してみるとそれなりの苦労がある。だから、自分が憧れる職業があるなら、それに近づくために努力すべきだ。遠回りする必要なんかない。近づいていくうちにたいてい、思っていたのと違うことがあって、向きを少し変える必要がでてくることがある。でも、大きな方向を外さなかったらそれはムダにはならない。一歩山に近づいたら違う景色が見えてきたってだけのことだ。

仕事について言うと、「好き」で「得意」で「もうかる」ことをするのが一番幸せなことだと言われている。でもこれがすべてあてはまることを見つけるのは本当に難しい。僕は昔から国語が好きで書くことが好きだったけど、結局それを仕事にしようと思い切るのに35年かかった。それが得意だし好きなことだっていうのは小学生の頃から知ってたのに、だ。でもそれを見つけられて、じっさいにそういう仕事をできていることは本当にラッキーなことだと思っている。だから言おう、「自分の好きなことを見つけて、それを全力でやってみろ」と。じゃないと後悔するだけだ。

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立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。