自殺を考えている君へ – 縞馬たちへの伝言3

(このシリーズはティーンエージャーを対象に書かれているため、文章が平易になっていたり会話文が使われていたりするなど他のエントリーとは表現が異なります)

また来てくれてありがとう。ちょっとしたことでも行動することが大事だ、座禅(ざぜん)だけ組んでたり、お祈りだけしてても世界は変わらない。

日本では毎年3万人以上が自殺しているという統計(とうけい)がある。これはすごい数だ。先進国といわれる世界でもっとも経済的(お金のことだ)に恵まれている国の中で、日本ほどこの数字が高いところは珍しい。何を隠そう僕だって、中学生の時にはよく自殺について考えたものだ。よく思い悩むほうだったから、自殺ではなくて、発狂(はっきょう、気が狂っておかしくなること)してしまいそうになることが何度もあった。19でアメリカに行くようになったきっかけも、受験に失敗したからだ。当時僕は世界で働く仕事がしたくて、そのために大学に行きたかった。うちは両親が離婚して母親だけしかいなかったから、その親を喜ばすためにも行きたかったし、学費は自分でアルバイトをした。(最初のアルバイトは小学校を卒業した春休み、近所で新聞配達の仕事をした。それから、自分のおこづかいはずっと自分で稼ぎ続けた) 親に迷惑をかけたくなかったから。
だけど、何校受けても受からず、結局二浪することになった。その時、僕の頭の中で何かがハジけた、いわゆるプッツンだ。だから受験のプレッシャーなんてことはとてもよくわかる。高校三年生の時には自分で目標を立てて、夏休みに365時間勉強するようにした。平均すると一日8時間以上だけども、ちょっと遊びに出たりすると、すぐにすごいツケが回ってくる。でもこれも達成した。だけど全然受からなかった。死に物狂いに勉強して、模試(もし)もいっぱい受けた。こういうのを挫折(ざせつ)って言うんだろう、とその時は絶望(ぜつぼう)して目の前が真っ暗になった。

で、もしもそういうことや恋の悩み、あるいはいじめ(これについても話せることはいっぱいある。なにしろ僕が育った町は本当にガラの悪い町だったから)なんかで思い悩んで、自分の尊い生命を絶とうということを一度でも考えたことがあるなら、この続きを読んでほしい。

まず、自分が死んだら悲しむだろうと思える人のことを思い浮かべてみてほしい。そして数を数えてみよう。
その次に、自分が死んだら喜ぶ人(本当はそんな人いないと思うんだけども)の数を数えてみよう。どっちが多いだろうか?
そして、最後に、「自分が死んでもまったく影響を受けない、それどころか死んだことにもいっさい気づかない人たち」の数を数えてみよう。数え切れないだろう。

悔しくないか?

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立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。

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