悪質ホスト問題にメスを入れる青汁王子

団塊ジュニア世代に見当たらないロールモデル

筆者はYouTubeをあまり見ない(TiktokやInstagramは滅多に見ない)のだが、いくつか例外がある。それが将棋関連のYouTube(交流のある香川愛生女流や藤森哲也棋士、後は将棋ウォーズ関連などが主)と朝倉海チャンネルなどの格闘系、そして暴露系YouTuberのコレコレと、この青汁王子の動画くらい。それでも毎日見ることは無いが、気になるのはチェックしている。特に青汁王子のチャンネルは大ファンである。もう「今どきの若い者」という言葉を言ってもあまり差し支えないおじさんになってしまったが、彼はほんとに見どころがあり、日本に希望を与えてくれている稀有な存在だと思う。

思うに我々団塊ジュニアの世代は受験戦争で牙を抜かれ過ぎてしまったのか、「枠にハマる」ことに慣れすぎたが故に今のような混迷の時代を切り開いていくロールモデルの存在が欠落している。ホリエモンこと堀江貴文さんは筆者より二歳上、ひろゆきは二歳下になるが、常にメディアを賑わせているのはこの二人くらいか。最近津田大介さんや東浩紀さんなんかもかつての元気が無いように見えるし、200万人とかセンター受験してたのにみんなどこ行ってしまったんだと不思議に思う。(もちろん自分のことを棚に上げるつもりはない)保守の論客の竹田恒泰氏は一つ下、荻上チキさんは7つ下でもはや次の世代だが彼の知見も素晴らしいと思っている。

思えば我々が若い頃には「朝生」でいろんな人が熱い議論を交わしていたものだ。多くは鬼籍に入ってしまい、司会の田原総一朗氏に至っては最近はめっきり「老害」扱い。まぁ単に老いてしまっただけなのだと思うのだが。「誰がベビーブームを殺したか」という連載を過去に書いていてまだ諸事情で未完に終わっているのだが、実はこの辺の内容にもツッコミを入れたいと思っていた。高度経済成長期を間近に見ていた我々の世代は個性的に生きることをまだまだ容認されていなかったのか、そしてその反動が今きているのか。閑話休題。

さて冒頭の話に戻るが、下記の動画を見たのである。話の規模が大きいので、最初はやらせ動画かと思ってしまったが。。。

悪徳ホストに人生を破滅させられた女性の生き地獄に凍りついてしまいました

ホストから5000万円以上の売掛を背負ってしまい、裕福な家の出にも関わらず風俗で働いて返済をしなければならなくなった、という趣旨の動画だ。最後王子は担当ホスト、そしてその上司であるホストクラブのオーナーとも話すという内容になっている。(ちなみにこのホストクラブは実質的に「頂き女子りりちゃん」がハマったホストが働いていたのと同じ系列店とのこと)

(関連記事:《パパ活女子のカリスマ逮捕》「おぢには“病み営業”」りりちゃん(25)が作成したパパから大金を騙し取る‟魔法マニュアル”のすべて「もう闇金いこうかな…」 by 文春オンライン)

この動画を見てどう判断するかは視聴者次第だと思う。よくある「自己責任」という言葉を被せて終わろうとする人もいれば、酷いことをするもんだと憤る方もいるかも知れない。家が裕福だからといって、すごいお金を突っ込む彼女に全く責任が無いとは思わないが、父親目線だと彼女の両親のことが気がかりだ。ホントの被害者は彼らなのではないか。いや、それさえも「そもそも親の責任」と言って終わってしまうのか。(日本ではとりわけ「自己責任」という言葉が独り歩きしすぎてて、本来の意味を失っている気がするが、これについてはまた後日意見を述べたい。筆者にとって「自己責任」と「必要悪」は思考不全な表現であり、論破の対象にすらなりがちである)

せっかく青汁王子こと三崎優太氏が自分のリスクも鑑みずにこういう動画を上げていて、それを見るといま問題になっている「悪質」ホスト問題の一端が伺えるから、興味ある方はぜひご視聴いただきたい。ほんとに何百万、何千万のドリンクを入れさせる習慣てあるんですよ。悪質としか思えません。本人も楽しんだからといって、ホイホイ店に行くなとも思いますよ。ノーて言えばいいじゃないかと。でも、こんな風にホストやら上司やら、他のヘルプやらがいろいろ出てきて、あぁだこうだ言ってくるし、家に内容証明を送るとか言ってこられるとすくみますよね。それは理解できます。この彼女には自分の分を超えた「推し活」じゃなくて他の楽しみ見つけて頂きたい。

意力ブログは弱い立場にいる女性の搾取に反対します。

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。