ゲーミフィケーションの効能 将棋ウォーズ

三ヶ月程前に、将棋ウォーズなるアプリを知った。そもそものきっかけは、私が主催している日本大富豪連盟で、長いことアプリの開発を模索していることだった。

日本でもドワンゴが電王戦というプロ棋士対コンピュータの対戦を運営しているのは皆さんもご存知のところ。これに参加しているAIの一つポナンザを採用しているのがこの将棋ウォーズである。ちなみに日本将棋連盟公認となっている。こちらは言うまでもなく我々の団体とは全く異なる由緒ある団体(笑)

メインは10分と3分切れ負けの人間同士のオンライン対局。コンピュータが自動でマッチングを行い、対局結果に応じて自分の棋力が判定され変動する。
実は筆者は三十年来の将棋ファンである。最初に教えてくれたのは大好きだった祖父。

何となく始めたこのアプリだが、ゲーミフィケーションの工夫が至るところに施され、何とも面白い。課金は非常にシンプルで、月額350円払うと指し放題になる。無料の場合は一日に三局まで。

簡単に仕組みを列挙すると

戦法や囲いなどのバッジと個別の階級設定
自動マッチング
チャット付きの感想戦
他人の対局の観戦
棋譜の保存
BGMと各種効果音
対局後の音声 (お主、腕を上げたんじゃないか?情けないわ、などの老人の声)
夏目漱石や実在の棋士などをもしたアートワーク
アバター

特に戦法と囲い、手筋などのゲーミフィケーションが非常によくできている。最初は30級から始まり、ドンドン上がるのだが自分の棋力に見合った辺りでピタリと昇級が止まる。私の場合は、4級で一週間、3級で三週間という具合。今は三分切れ負けの弾丸モードで2級、通常で3級である。もともといわゆる下手の横好きで、得意ではないのら明らか。

しかし、すごいのはその効能で、これまでの三十年よりもこの三ヶ月で実力が相当ついたのが自分でも分かる。これは去年日本でもJPAのビリヤードで体験した通り。やはり適当にやっているだけでは上達しないのである。また、仲間や対戦相手がいると俄然燃えるという向きもあろう。

最近は自分にとっては全く新しい7八飛戦法という三間飛車の改良型の急戦法に凝っている。一度自分がコテンパンにやられたので悔しくて徹底的に研究したら、もともと指す人が少ないので、上位20位にランクインするまでになった。調べるとこれは俗に『猫だまし』とも言われるらしい、そういえば相撲にも似たような技があった。

このアプリはまだ残念ながら日本語のみの対応だが、ぜひ英語化して欲しい、いや、なんなら担当させて頂きたいと思えるくらいの出来で、オススメである。将棋は各国でのルールの違いにより囲碁よりは世界的な知名度を博していないが、とっくの昔にコンピュータが人間を負かしたチェスに比べると遥かに奥が深いことが実証された日本が誇る素晴らしいゲームである。またAIも日本が誇るロボット技術の一つ。クールジャパンに取り込んでもらえないだろうか(笑)

個人的には今のメインプロジェクトである言語教育にこのゲーミフィケーションの手法を活かせないかと研究している。最近は世界的にもそういう動きが出始めているのでまた折を見て紹介したい。

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画像は初めて一日の段位で1.4段と段を取った時の追い風参考記録。記念にスクリーンショットを撮ってみた。現在の目標は初段だがまだまだ道のりは遠そうだ。。。

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。

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