D64 小倉淳さんが仕掛けるJPLIVE.TVを応援します

JPLIVE.TVの小倉淳さんと

先日つながるセブンでご一緒させて頂いた小倉淳さんは、ウルトラクイズの頃から存じ上げていたが、まさか一緒に仕事をさせてもらうことになるとは夢にも思っていなかった。<小倉淳さん公式サイト

つながるセブン収録後の打ち上げでソーシャルメディアの可能性に意気投合した後、築地に彼が立ち上げた新しいスタジオを見学に行って打ち合わせること数回。
小倉さんが今回立ち上げたJPLIVE.TVの可能性に希望を感じたので、微力ながらお手伝いさせて頂くことになった。

JPLIVE.TVは世界に向けて日本の素晴らしさをアピールするメディアハブとなることを標榜している。アメリカでも、(少しサブカル寄りになるが)POPJNEOが同じようなゴールをもって、ウェブ雑誌として運営されていてそちらもちょくちょくお手伝いさせて頂いているのはこれまでにも伝えてきた。POPJNEOが写真と視点でアピールするなら、JPLIVEは語学力と映像力での勝負というところだろうか。小倉さんは言うまでもなく、テレビ界の大ベテランであり経歴も華々しいものをお持ちだ。その小倉さんが何故ソーシャルメディアの世界に目を向け、そして自分でスタジオまで設立してやっていこうという気になったのか。そういう部分をインタビューでお伺いしてみた。(動画はまだ編集済みのものが上がってきていないので上がり次第掲載する)

私自身、ソーシャル系の番組に出たのは今回の日本出張中に参加したたくひろナイト(Ust)が初めてだったのだが、実際に出演してみてその可能性には大きなものを感じていたところだった。一人ではなかなかできないことが多く、アメリカでは自分の番組をやろうと思っても苦戦したのだが、やはり餅は餅屋。映像に特化した方々が動けば、こうもうまくいくものかと思わされた。私は常々電子出版とソーシャルメディアが車の両輪であるという話をしてきているのだが、紙での読書がデジタルリーディングになるには大きな習慣の変化と何よりデバイスが必要になるのに対して、テレビからストリーミング放送(あるいはアーカイブ)つまりPCでの試聴になるにはそれほど大きな変化を必要としない。コンテンツが育つには、テレビ界で活躍してた方々の協力が欠かせないと思う。何故なら、やはり彼らはその道のプロだからだ。移り映えが違う。そして、彼らがいるだけで他の人が素人でも俄然画面が引き締まるのである。(何を今更、とおっしゃる方も多いと思うが私は今回つくづくそのすごさを感じさせられた)

だからネットでのソーシャル番組の視聴がみんなの習慣となる日もそれほど遠くはないと思う。だからといってもちろん、すぐにテレビが死ぬとかそういう話ではないと思う。(詳しくはテレビは生き残れるかをお読みください)つまり、しばらくはお互いの併存期間が続くだろう。後は育ったコンテンツが多くの視聴を集めること。ここが一つのベンチマークになると思う。というのも今のテレビ業界は「視聴率」という極めて明確な数字に依存しているのだが、この数字の裏付けがどれだけ信用できるかというともはや疑問点だらけだからである。(誰かネットを各家庭の全てのテレビにつないで、実勢の視聴率を測定する技術を創りだしてくれないだろうか)先日の孫さんと掘さんの原発対談を見ても、通常のコンテンツでは同時視聴は2万いったらいい方。NHKなどの報道もので10万~20万くらい。(*注 8月29日の民主党総裁選挙では15万くらいまで伸びた)もちろんこれはテレビがこれまで訴えてきた数字からすると遙かに小さい。

しかし、「有効視聴率」なるものを考えるとすれば、いわゆる「ながら視聴」が多いテレビに比べてネット番組のほうが遙かに注意を惹いていると思う。
だから実際のネット番組だと同時視聴1万でかなりのお化け番組、アーカイブで6桁いけばゴールデンタイムなみ、そういう理解があってもいいのではないだろうか。
もちろん、多くのネット番組はここまで行くことはなく終わってしまう。さすがにアーカイブの視聴が3桁では広告主はつかないし、4桁でも難しいだろう。
ではどうすればソーシャルメディア系の番組が知名度を得ることができるのだろうか。
(これに対する私なりの解答ももっているのだが、それはまた後日にして)

そういう疑問を抱えつつも、今あるテレビ業界の閉塞感に危機を感じている方々も多いはずである。今後そういう方々がソーシャルメディア業界に流れてくれば間違い無く面白いことになると思う。例えばアメリカではYouTubeが全盛の時期というのがあった。これを支えていたのは、ハリウッドに代表されるような映像業界の人々の技術やもともと出たがりの国民性、いわばスター意識をもったプレイヤーの存在だった。日本にはこれらがなかったので本格的なYouTube時代が来ず、代わりに日本風の「ニコ動」全盛時代がやってきたのだ。だから今回の波を感じた時に、ふと、Ust とYouTube 全盛時代は小倉さんのようなテレビ業界上がり(と言っていいのかどうか分からないが)の方々によってもたらされるのではないかと思った。そして、日本にたくさんある素晴らしいコンテンツ、それは人であったりモノであったり、サービスであったりするかも知れない、そういうものを海外に発信したい。何とも「開国派」を自認する私にぴったりのプロジェクトだ。

ということで、映像でのトークは本当にずぶの素人の私ではあるが、一肌脱がせて頂くことにした。これからもいろいろバックエンドのほうでもお手伝いしていきたいと考えている。

JPLIVE.TVの小倉淳さんと

小倉さんはBBCでもお仕事をされていたので、英語が堪能なのだが、彼の息子さんの方は何と日本人にして英語がネイティブ、レベルの高いバイリンガル(セミリンガルとは違うという意味)で、かつ中国でも勉強してきたということで今後コンテンツは最低日英中の三ヶ国語で配信していく予定とのこと。

w/ Shinnosuke Ogura

慎之輔君の方とは英語でのインタビューを収録させて頂いた。

コンテンツとしては毎月一回(第三日曜日)開催されている築地本願寺前の朝市の様子を配信することから始められているようだ。築地といえば、マグロの競りを見に多くの観光客が世界中から詰めかけることでも知られている。スタジオも築地にあることだし、うってつけのコンテンツではないだろうか。

JPLIVE.TVの今後の動向については当意力ブログでも全力でお伝えしていきたいと思う。乞うご期待!

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立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。

1件のコメント

  1. 古泉勇二郎
    2011 年 8 月 31 日

    Twitter、フォローして頂いてありがとうございます。

    テレビがフレンチならば、インターネットは定食屋。いつも入れるイメージを作らないと意味がない。

    ニコニコ動画は動画サイトでありながら黒字化させた稀な企業ですね。サブカルチャー紹介的なものであるのは確かですが、意外と日本のことを好きな外人っていますからね。

    こうしたサービスがキッカケでメディアが変わっていけばまた違う展開も見えてくるのではないかと思います。

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