岸田内閣の行方

すでにレームダック(死に体)とも揶揄されている岸田政権だが、ここにきて諸派の政治献金パーティ裏金疑惑でいよいよ危険水域に突入しているようだ。

岸田内閣支持17% 裏金疑惑で続落、不支持58% 自民支持も2割切る・時事世論調査(時事)

時事通信が8~11日に実施した12月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比4.2ポイント減の17.1%となり、2012年12月の自民党政権復帰後の調査で最低を更新、初めて1割台に落ち込んだ。

これは民主党政権が発足する前の麻生政権(2009年9月)来の低水準らしく、野党もいよいよ色めきだっているのではないか。裏にどんな大人の事情があるのか知らないが、これだけ矢継ぎ早にスキャンダルが報じられると手がつけられなくなる。

ではいよいよ政権交代か、と思いきやどうしても他の政党の支持率が低い。

 政党支持率は自民に続き、立憲民主党が4.4%(前月比1.7ポイント増)で日本維新の会の3.2%(同1.4ポイント減)を上回った。公明党は2.8%(同1.3ポイント減)。以下、共産党1.9%、れいわ新選組1.5%、国民民主党1.1%、参政党0.4%、社民党0.3%と続いた。みんなでつくる党はゼロ、「支持政党なし」は62.5%だった。

注目すべきは過半数をゆうに超える「支持政党なし」の属性か。れいわの1.5が共産党を超えることになるのかも気になるが、個人的な感想としては立民が政権奪取というイメージが湧いてこない。やはり政治はリーダーシップであり、目に見えてわかりやすい「顔」が大事だろう。選挙にいかない若者の関心を選挙に向けていく工夫が野党側には必要で、そのためには市井の声に耳を傾ける必要がある。与党側の維新と公明も自民党につられて支持率を下げているというのは理解できる。現時点で衆院解散は自民党に圧倒的に不利になるだろうから、岸田首相の心中は穏やかではないだろう。国会閉会間際に一気に閣僚を交代する手にでたが、これが国民からの好感度に繋がるかというと微妙な気はする。(顔ぶれがどこかで見たことある人ばかりのピンチヒッター人事だし)

(注:時事の調査は全国18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は59.4%) 

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。