韓国で焼身自殺再び – ライドシェアリングに対する抗議で

<関連記事>韓国のタクシー運転手が焼身自殺、相乗りサービス導入に抗議 (AFP) (12/10/18)

先月に続いて、また韓国でタクシー運転手の焼身自殺が発生したという衝撃的な報道があった。これらは共に韓国では主流のメッセンジャーアプリであるKakao Talkのグループ会社であるカカオモビリティ社が展開しようとしているライドシェアリングサービス「KakaoT」に対する抗議とされている。(KakaoTの使い方に関してはコチラに詳しい)写真を見ると車ごと燃えているが、今回はUberに対してではなく、カカオに対する抗議のはずなのになぜか米大使館の付近で発生したという。

聯合(Yonhap)ニュースによると、運転手は遺書でカカオトークが開発したライドシェアサービスを「違法な相乗り」と非難し、禁止にするよう求めていた。

もともとは12月中旬にローンチ予定だったが、前回の焼身自殺により延期になったとコチラでも報じられていた。ライドシェアリングに対するタクシー運転手らの抗議運動はこれまでにも世界の各地で起きているが、車を燃やしたケースはあっても焼身自殺は韓国が初ではないか。

動画:韓国のタクシー運転手ら全国スト、相乗りサービス導入に抗議 (2018年12月21日 AFP)

もともと韓国のタクシー業界はUberの参入時に一致団結して抵抗して、その結果国民の95%もが利用しているとされるKakaoTが誕生したとのことだが、そのKakaoTがライドシェアリングサービスを開始したら、今度はこのような事態が起きるとはなんとも悲しい現実である。犠牲者の冥福を祈りつつ、KakaoT側の対応に注目したい。


立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。