One Voice Campaign とは何か (1)

江口晋太郎氏

ブロガーが大好きで、自分のアイデンティティでもあるブログの更新を滞る時、そこに何があるのだろう。そんなことをマジメに考えることがある。
書く気が失せているのか、忙しいのか、本を書いているのか、記事を書くのが面倒なのか。。。要は意思の力が弱っているのだ。
一番好きなブログを書くことで力が得られるのは間違いなく、書けていないという事実は自信を喪失させる。だから少しでも書くしかない。
(ワードプレスから英語版のようにTumblrに移行したほうがいいのだろうか、うぅむ)

ところで筆者は、一ブロガーとして何となく最近斜陽産業的に捉えられがちなブログの重要性と存在意義を真剣に考えている。
インフルエンサーの定義が、いわゆるアルファブロガーからその他の違う方向に移行していく潮流は分かる。
しかし、ツイッターじゃ短すぎるし、フェイスブックだと、プライベートな投稿とオープンな投稿の線引が難しいばかりか、どうしても自己PRに走り過ぎるきらいがあって、いわゆる「論調」というものを前面に出しにくい。

だからブログだ。ブログには未来がある。
自分の主張を通す場、出版への機会、取材を受け付ける場、特定のニュースを紹介して自説を唱えるミニ論壇。
ソーシャルメディアを生業とする方が増えてくる、舞台は広報やメディアの現場。よくブログ調なんて言われるが、ブログの書き方は本の書き方と異なって当たり前である、そこに上下はない。あるのは品質の問題で、いわゆる紙出版には編集者というヒューマニスティックな資本が長い間の蓄積として存在してきている。(校正者や校閲者も然り)一方ブログに編集かましていられる程の余裕のあるブロガーはそうは多くないはず。では読者はどちらが読みたいのか、電子出版だとどうなるのか。。。ソーシャルメディアが社会にもたらす最大の利点は多様性、社会がそれに対してできることは受け入れること。
なんてことを考えながら、ようやくアップする余裕ができた取材エントリーを投稿します。

今回取材させて頂いたのは One Voice Campaignの創設者の一人である江口晋太郎 (@eshintaro) さん。自衛官出身という異色のキャリアをもつ彼の姿は最近あちこちのソーシャル系イベントで見かけるようになった。
実はこのインタビュー、2ヶ月前に行われたものなのだが、これまで筆者の怠慢により掲載できなかったものだが、それ以降増税法案に大飯原発の再稼働、小沢新党やら大津市のイジメ問題など多くのニュースで少し霞んできたような気がしたので、この機にもう一度当意力ブログで火をくべてみたいと思った次第である。

One Voice Campaignをご存じない方のために説明しておくと、この運動はインターネット上の選挙運動を解禁することを働きかけるものです。既存の公職選挙法ではインターネット上の表示も街頭にある掲示板のような掲示物と同様の扱いを受けるということ。

江口晋太郎氏が語るOne Voice Campaign (E=江口氏、W=筆者)

自衛官のキャリアから政治意識へ

W 「もともとこの運動に携わることになった経緯を教えてください」
E 「僕自身のキャリアの中には常に政治的な文脈があったんですよね。自衛官になった後に国会議員のインターンをしていた時期があるんです。それが2008年頃でちょうど自民党から民主党に政権が移行する頃だった。で、2008年にはアメリカで大統領選挙があってオバマ大統領が勝利しました。ソーシャルメディアというものの影響力を感じさせられたのはその頃でした。YouTubeとか、フェイスブックとかツイッターが台頭してきてすごい力を持ちつつあるなというのを何となく感じていました。」

W「なるほど、当時はイラク戦争などで社会の言論とソーシャルメディアのつながりも注目されてきた頃ですよね。江口さんは自衛官の後に民間の企業にお勤めになられたんですよね」
E「そうですね。自衛隊後、大学に進学し、社会学などを学ぶ中で、メディアの力や社会をどう考え、そしてどうしたら少しでもいい方向にいけるかを模索していました。その頃から政治という部分は切っても切れないものだという実感があったんです。そして、それに併せて当時のアメリカでのソーシャルメディアの盛り上がりを感じ、大きな潮流を感じた。トップダウンの動きではなく、一般大衆の手によるボトムアップな動きによる新しい社会変革の動きに対しての意識が大きく向いたということです。だからこそ、今回のようなOne Voice Campaignのような動きになったんです」

ワンボイスの裏側
W「今回のキャンペーンを立ち上げた仲間はどういう方なんですか?」
E「原田謙介君というのがいて、彼は今年の春に卒業したばかりなんですが、学生時代からivoteという学生の投票率を向上させる団体をやっていたんです。」
(*こちらについてはgreenzの記事にも掲載されている。ちなみにこの原田君とは2010年のTEDXTOKYO新年会の時に少し立ち話をしたのを後で思い出した。世の中狭い)

W「若者の参画というのが素晴らしいですね、ポスト団塊ジュニア世代は元気でいいですね。我々団塊ジュニア世代も頑張らないと。ずばり今回のキャンペーンの目標は?」
E「この国会で法改正をして来年の選挙には適用させることですね」
(*この時点では国会の会期はまだ延長されていなかった)

W「お隣の韓国でも今年同じように法律が通過しました。日本でも今ならできるという風にお考えですか?」
E「そうですね。東日本大震災によって、一般的なITリテラシーも一気に高まった感がありますし、ユーザーエクスペリエンスも向上しました。いつまでも待ってはいられないので、やれる時に一気にやってしまおうと思ってます。」


日本の古い選挙を変える!

W「しかし、本当に今の公職選挙法って過去の遺物って感じしますよね、誰が得するんだっていう(笑)」
E「同感です。ネットの政治利用や関与を向上して、社会を変えたいという思いが強いですね。そのためにはまず若者が立ち上がらなくては」

続く

立入 勝義 (Katsuyoshi Tachiiri) 作家・コンサルタント・経営者 株式会社 ウエスタンアベニュー代表 一般社団法人 日本大富豪連盟 代表理事 特定非営利活動法人 e場所 理事 日米二重生活。4女の父。元世銀コンサルタント。在米歴30年。 主な著書に「ADHDでよかった」(新潮新書)、「Uber革命の真実」「ソーシャルメディア革命」(共にDiscover21)など計六冊。

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